Date: 02/06/2005 / 協力国 :


サウディアラビアと日本
外交関係樹立50周年

日本とサウディアラビアとの外交的な接触が始まったのは、 サウディアラビアのハーフィズ・ワハバ駐英行使が東京モスクの開堂記念式典に出席するため日本を訪問した1938年のことです。翌1939年4月、在エジプト日本大使館の横山正幸公使が日本の外交官として初めてサウディアラビアを訪問、外交・経済関係樹立の交渉を始めました。このとき横山公使はリヤードでアブドゥルアジ-ズ国王に拝謁しています。この年の9月、第2次世界大戦が勃発したので交渉は打ち切られ、1945年に第2次世界大戦が終わった後に、1955年になって両国の外交関係は正式に樹立されました。

(1)日本人ムスリムによるマッカ巡礼

記録上残っている日本とサウディアラビアとの交流の歴史は、日本人ムスリムによる明治時代末期のマッカ巡礼にさかのぼる。1909年(明治42年)12月、山岡光太郎氏はタタール人ムスリムのアブドッラシード・イブラーヒーム氏の案内で日本人として初めてマッカ巡礼を行った。帰国後 彼は1912年(明治45年)に、「世界の神秘境アラビア縦断記」を、そして1921年(大正10年)に、「回々教の神秘的威力」と題する2冊の著書を出版し、当時の巡礼が死を賭した苦難なものであったことを記述している。 続いてマッカ巡礼を行ったのは、田中逸平氏である。彼は1924年(大正13年)7 月と1933年(昭和8年)3月の2度にわたりマッカに巡礼し、1925年(大正14年)に、「白雲遊記」を著し、巡礼の模様を詳述している。その後、群正三、鈴木剛、 細川将、山本太郎、榎本桃太郎の各氏 が1935年(昭和10年)から1939年(昭 和14年)にかけて巡礼を行っている。 鈴木氏は3度の巡礼を果たし、1935年3月の巡礼の際には、マッカのカアバ聖 殿の前で発生したアブドルアジーズ国王の暗殺未遂事件を目撃している。同 氏は3度目の巡礼の後の昭和14年に、「メッカ巡礼」と題する一書を著し、 この暗殺未遂事件の際のアブドルアジーズ国王の沈着冷静な言動を書き残している。

(2)東京モスクの開堂

1938年5月、イスラームに理解の深い内外の人々の努力により、東京都渋谷区大山町に東京モスクが竣工し、その開堂記念式典が開催された。式典にはイスラーム諸国の外交官が多数列席し、サウディアラビア王国からはハーフィズ・ワハバ駐英公使が政府代表として参列した。これはサウディ政府要人による初の日本訪問であり、同公使は滞日中、日本政府要人と積極的な会談を行っている。この東京モスクは老朽化のため1983年に閉鎖され、その後1998年1月からトルコ政府の主導による新モスクの建設工事がその跡地で始まった。新モスクは予定通り完成し、2000年6月30日に開堂式が行われた。

(3)横山公使のサウディアラビア訪問

1939年3月末、日本政府はハーフィ ズ・ワハバ公使の訪日に対する返礼と公用を兼ね、エジプト駐在の横山正幸 公使をサウディアラビアに派遣し、友好条約問題などの交渉に当たらせた同公使一行はスエズから乗船し、3月26日にジェッダ港に着き、翌日から車でリヤードに向かい、約1,100キロメートルの砂漠の道を5日間かけて走破し、無事リヤードに到着した。

4月1日、横山公使はアブドルアジー ズ国王に拝謁し、約1時間にわたり会談を行った。その後、同公使はサウディ政府の代表者と外交・経済問題に関し4月6日まで交渉を継続し、翌7日にリヤードを離れ、エジプトに戻った。

 
 
 
(4)外交関係の樹立と大使館の開設

日本とサウディアラビアの外交関係の樹立交渉は、横山公使のリヤード訪問から数カ月後に勃発した第2次世界大戦によって打ち切られ、サウディアラビアは戦争終結の直前に日本に対し宣戦を布告した。戦争終結後の1951 年、サウディアラビアは対日平和 条約に調印し、1954年3月13日に 同条約を批准した。1952年12月にエジプトに公使館を開設した日本政府は、1953年からシリア、レバノン、イラク、ヨルダン、サウディアラビアに対し、 正式に外交関係の樹立を申し入れ ていた。シリア、レバノンからは 相次いで応諾の返事があったものの、サウディアラビアからは何ら回答がなかった。そこで日本政府は、サウディ政府による上述の対日平和条約の批准を契機として、外交樹立交渉を再開した結果、1955年6月、両国間の外交関係は正式に樹立したのである。

1956年、日本政府は駐エジプト土田豊大使をサウディアラビア王国の兼任公使に任命したが、その後1958年1月にサウディ政府が東京に大使館を開設し、アサド・ファキーヒ大使を派遣してきたため、日本政府は土田兼任公使を兼任大使に昇格させた。1960年1月、日本国大使館がジェッダに開設され、田村秀治氏 が代理大使に任命された。それ以降今日に至るまで、両国は友好な外交関係を 維持してきている。1984年10月1日、日本国大使館は他諸国の大使館と同様、ジェッダからリヤードに移転し、ジェッダには日本国総領事館が同日付けにて開設された。その後、1985年8月1日に、日本国大使館はリヤードの外交団地区に移転している。


 

 
(5)外交樹立50周年

2005年6月、日本とサウディアラビア王国は外交樹立50周年を迎える。この節目の年に当り、両国は記念行事の開催を計画している。2003年5月、小泉首相がサウディアラビアを訪問した際、アブドッラー皇太子とこの記念行事についても話し合った。